微分積分でお馴染みの、ネイピア数eに関する問題です。
ネイピア数eは次のように定義されています。
e = lim(n→±∞)(1+1/n)^n = 2.71828・・・
では、次の値を求めよ。
lim(n→+∞){1-1/(n^2)}^n
lim(n→±∞)の意味は、nを正の方向に限りなく数を大きくしていく、または
nを負の方向に限りなく大きくしていく、という意味です。
つまり、上のeの定義では、正の方向に限りなく増やそうとも、
負の方向に限りなく増やそうとも、どちらにしても2.71828・・・に近付いていく
という意味です。
問題の答えです。
返信削除この問題を解くポイントはa^2-b^2の形に
気づけるかどうかと、変数変換です。
a^2-b^2形は
a^2-b^2 = (a+b)(a-b)
に因数分解できます。
この因数分解を問題の式に当てはめると、
lim(n→+∞){1-1/(n^2)}^n
= lim(n→+∞){1^2-(1/n)^2}^n
= lim(n→+∞){(1+1/n)(1-1/n)}^n
= lim(n→+∞)(1+1/n)^n×(1-1/n)^n
となります。
ここで、lim(n→+∞)(1+1/n)^n・・・①と
lim(n→+∞)(1-1/n)^n・・・②の二つに分けて考えると、まず①はeの定義そのままなので、
①=eとなります。②を見ると、①の+のところが-になっているので、このままではeの定義が使えません。
そこで、n=-mと変数変換してみると、
n→+∞のときm→-∞となります。そして、②を見てみると、
lim(n→+∞)(1-1/n)^n
= lim(m→-∞)(1+1/m)^(-m)
= lim(m→-∞)1/(1+1/m)^m
となり、②はeの定義より1/eになります。
そして、この問題は①と②を掛けた値を求めるので、よって
lim(n→+∞){1-1/(n^2)}^n
= e × 1/e = 1 となります。