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2011年2月15日火曜日

ネイピア数の問題

微分積分でお馴染みの、ネイピア数eに関する問題です。

ネイピア数eは次のように定義されています。

 e = lim(n→±∞)(1+1/n)^n = 2.71828・・・

では、次の値を求めよ。

 lim(n→+∞){1-1/(n^2)}^n 


lim(n→±∞)の意味は、nを正の方向に限りなく数を大きくしていく、または
nを負の方向に限りなく大きくしていく、という意味です。
つまり、上のeの定義では、正の方向に限りなく増やそうとも、
負の方向に限りなく増やそうとも、どちらにしても2.71828・・・に近付いていく
という意味です。

1 件のコメント:

  1. 問題の答えです。

    この問題を解くポイントはa^2-b^2の形に
    気づけるかどうかと、変数変換です。

    a^2-b^2形は

    a^2-b^2 = (a+b)(a-b)
    に因数分解できます。
    この因数分解を問題の式に当てはめると、

       lim(n→+∞){1-1/(n^2)}^n 
     = lim(n→+∞){1^2-(1/n)^2}^n
     = lim(n→+∞){(1+1/n)(1-1/n)}^n
     = lim(n→+∞)(1+1/n)^n×(1-1/n)^n
    となります。
    ここで、lim(n→+∞)(1+1/n)^n・・・①と
    lim(n→+∞)(1-1/n)^n・・・②の二つに分けて考えると、まず①はeの定義そのままなので、
    ①=eとなります。②を見ると、①の+のところが-になっているので、このままではeの定義が使えません。
    そこで、n=-mと変数変換してみると、
    n→+∞のときm→-∞となります。そして、②を見てみると、

      lim(n→+∞)(1-1/n)^n
    = lim(m→-∞)(1+1/m)^(-m)
    = lim(m→-∞)1/(1+1/m)^m
    となり、②はeの定義より1/eになります。
    そして、この問題は①と②を掛けた値を求めるので、よって
      lim(n→+∞){1-1/(n^2)}^n
    = e × 1/e = 1 となります。

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